2020/03/10
現在当社『完全オゾン処理型循環ろ過装置(完オゾシステム)』の日常管理について、『ATP測定法』による浴槽水簡易検査を推進しています。
現在主流の塩素殺菌では浴槽水の日常管理として残留塩素濃度が0.2~0.4PPMになるよう試薬による簡易測定器(DPD法)による管理が一般的です。
しかしオゾン殺菌の場合は、残留濃度の目安が0.01~0.05 と数値が一桁低いため、同じ簡易測定器では精度よく測定できず頻繁に測定値がこの範囲から外れるため日常管理には不向きでした。
そこでオゾン殺菌の場合は厚生労働省 レジオネラ対策マニュアル平成27年3月改訂にも記載されているATP測定法が有効です。
下記一部抜粋文です
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健康局マニュアル変更
◆「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」について(平成27年3月31日)【厚生労働省健康局生活衛生課】改定)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000132563.pdf
<14P(5) 浴槽水の汚染状況を簡易に把握する方法はありますか。>
改訂後追加:浴槽水のATP 量を迅速簡易測定器で測定すると、レジオネラ属菌が増殖しやすい環境の指標となることが報告されています。日常の浴槽水の管理に有効な手段となります。
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ATP測定法とは、ルミノール反応による発光を利用した測定法で、生物由来の汚れを測定するため、汚染状況の目安となります。(汚染が多いと菌が増殖しやすくなります)
オゾンは生物由来の汚れ、つまり有機物を分解するため、ATP測定法による浴槽水管理が適しています。(汚染量が多い場合は、注入オゾン濃度や量が不十分と推測できます)
ATP測定器導入によるメリットとして
1.災害時に浴槽水や非常用に施設で貯水している水が飲料用水として安全かの確認に活用できます。
2.また同じ測定器で、水中測定用試薬からふき取り用試薬に変更することで、浴槽水の管理だけでなく、施設内の他の場所の衛生管理にも利用できます。(食器類などの洗い残しチェック等)
3.最近では測定結果がデータとして端末アプリで自動的にクラウドに保存されるため、遠隔地からでも浴槽水の測定結果が確認できるため、当社も情報共有を行うことで異常が確認された際、速やかな対応が可能になります。
完オゾシステムユーザーの皆様、ATP測定器の導入,有効活用をご検討下さい。
また、完オゾシステム導入施設の測定データを記録し管理方法検証予定です。
(参考機種)
ATP測定器 ルミテスターsmart(キッコーマンバイオケミファ製)
https://biochemifa.kikkoman.co.jp/la/smart/index.html
(参考文献)
入浴施設・給湯設備におけるレジオネラ対策
~ ATP
検査(水中法、ふき取り検査)を用いた清浄度評価の現場事例~
http://biochemifa.kikkoman.co.jp/download/?id=32&k=2